コンウェイの���則と逆コンウェイの法則は(名前とニュアンスだけは)知っていた。
本書チームトポロジーを通して、その具体的な適用や意図についての理解を深められた。
特に、チームの認知負荷とコンウェイの法則によって規定される「アーキテクチャ」の範囲については自分の考えを改めることになりいい気付きを得られた。
ストリームアラインドチームを構成する際には、職域横断かつサービスの隅々まで賄えるようなプロダクト面でも専門的な集団とするのが理想的な印象があった。
ただ、言われてみれば当たり前ではあるが、現実として存在する認知的な限界を避けることはできない。
よって、認知負荷により制約されるチーム構成とする必要がある。
認知負荷のコントロールのためには、チームの分割・整理もひとつだろう(そのためのチームトポロジーであり本書である)。
これ以外にも、認知のキャパシティを増加するような適切なドキュメンテーションやドメイン知識の整理・抽象化といった基本的な生産性の向上も効きそうだ。
もう1点、コンウェイの法則によって規定される「アーキテクチャ」の範囲として、技術的なアーキテクチャしか頭になかった。
これも言われてみれば当たり前だが、チームの活動は技術的な部分に留まらない。
コミュニケーション、ドキュメンテーション、その他業務上あり得る活動すべてに対して適用される。
コミュニケーションに対するアーキテクチャを考えれば、本書に説明されるチームインタラクションの視点をもつことになる。
そしてドキュメンテーションについてはさらりとしか本書では触れられていないが、その構造もコンウェイの法則によって規定されるもののひとつだ。
コミュニケーションの一形態という意味で主題ではないのかもしれない(し、そのテーマだけで別の本になりそう)。
テレワークが多く殊更にドキュメンテーションの価値はましているわけで、「どこに」「何を」書くかがチームの構造に沿っているのが望ましい。
エンジニアリングチームにはインターフェースを決めるとよさそうだという直感と、具体的にどのように決めるかという課題感をもやもやと抱えていた。
結果として、直感は正しく、決めるべきインターフェースについても一定の方針を得られた。